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PHANTASM_DANCE_HALL  (SIDE : KU_YUMEBA)
                         by Itsuki_taniori

 

月明かりさえ届かない、朔の夜。
人々は寝静まり、獣とあやかしが支配する時間。

棄てられた洋館で、ふたりの少女が踊っていた。

くるくると、ひらひらと。
今この瞬間を、心から楽しみながら。

「ねぇ、コノハ。またこうして、踊ってくれる?」
「うん、クウさえよければ、何度でも」

ふたりは、無邪気に約束を交わす。
その行き先はまだ、知らないまま――。

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